測量SURVEYING

地上測量

測量の歴史は古く、古代エジプトまでさかのぼると言われています。我が国では、伊能忠敬が全国を行脚して作成した日本地図の『伊能図』が大変有名です。ピラミッド、古墳といった大規模構造物の建造、あるいは徴税に古くから用いられていた測量ですが、現代では国土保全や社会インフラの維持管理、新しいまちづくりのために測量技術が活用されています。

  • 基準点測量
  • 水準測量
  • GNSS測量
  • 用地測量
  • 応用測量(路線、河川)

基準点測量

基準点はあらゆる測量のベースです。測量の目的はその用途によって様々ですが、測量成果が信頼できる正確なものであるために、基準点測量は必要不可欠です。災害からの復興においても、三角点や水準点の復旧測量によって位置の基準が定められることで、その後の事業が適切かつ効率的に進行します。

水準測量

水準測量は、東京湾平均海面を基準として求められた日本水準原点を用いて、対象地点の高さを明らかにする測量です。土地の標高を求めるために行うほか、地盤沈下の調査などにも活用されます。また、地図上の等高線を描くためにも、標高は必要不可欠です。

GNSS測量

GNSS測量は、地球を周回する人工衛星からの電波を使用する方法で、2010年代から普及しています。アドテックでは、毎年のように革新される技術動向にいち早く対応しています。高精度かつ作業性の高いGNSS測量機を導入することで、ドローンや地上レーザといった新しい計測技術も活用しています。

用地測量

開発事業や土地の売買で必要となる用地測量では、公図や地積測量図等の調査、境界確定の資料作成などを行いますが、これに加えて、関係者間の調整や橋渡しの役割も発生します。アドテックでは、赤色立体地図の活用やUAVを使ったデジタルオルソによる資料作成を行い、お客様が使いやすい成果を提供し、円滑に業務を遂行することで高い評価を頂いています。

応用測量(路線、河川)

路線測量では、道路や水路、線路といった線状構造物の建設に必要な調査や資料作成を行います。また、河川測量では、河川や海岸の保全・治水のため、形状、水位、水深などを調査します。アドテックでは、三次元計測を取り入れるなど、複雑な地形や交通量の多い地域を安全かつ効率的に測る作業体制を確保しています。

航空測量

アドテックはアジア航測のグループ企業です。航測とは航空測量の略語であり、アジア航測は、1954年(昭和29年)に設立されました。アドテックも、1970年(昭和45年)の設立当初は東北アジア航測という社名でした。地上測量と比べて短期間で広範囲に行うことができる航空測量の分野において、当社では航空写真から地図や地形図を作成する業務を担ってきました。現在では、上空からレーザ光線を照射して大量のデータを取得することで、精密な地形の表現が可能となっています。

  • 写真測量
  • デジタルオルソ作成
  • 数値地形図データ作成
  • 航空レーザ測量

写真測量

写真測量におけるアドテックの技術は、当社の揺るぎないコア・コンピタンスです。航空写真を立体視して行うステレオ図化で、私たちは日本各地の正確な地形を50年以上に渡って明らかにし続けてきました。この基盤技術を確実に伝承し、これからも日本のインフラ整備に貢献してまいります。

デジタルオルソ作成

上空から撮影した写真は中心投影であるため歪みを持っていますが、標高データを用いて正射変換することで、位置や距離、面積が正確に表現されているオルソ画像となります。デジタルオルソはデータであるため、ほかの地図と重ね合わるなど、様々な地理空間情報と併用ができます。画像であるため視覚的にも理解しやすく、現地で測量作業を行う前の資料としても活用されています。

数値地形図データ作成

鉛筆や墨を使って手書きで地図を書いていた時代から、デジタルマッピングが主流となった現在まで、アドテックでは脈々と地図編集の技術を受け継いできました。数値地形図データは、もとになる図化データに地図記号や地物の属性情報を付与して作成します。都市計画基本図をはじめ、砂防、ほ場整備などで、スピーディかつ目的に合ったデータ作成を行っています。

航空レーザ測量

航空機からのレーザ照射で広い範囲のデータを短期間で取得できること、写真では判読できない植生下や水面下の状況がわかることが、航空レーザ測量の特徴です。アドテックでは、赤色立体地図を活用して各工程のチェックを行うなど、経験豊富な技術者集団による確かな作業体制で、高品質な成果を作成します。

三次元計測

近年急速に広まっている測量手法に、3D(X、Y、Zの3軸)で座標データを取得する三次元計測があります。測量分野の担い手不足の解消や、より安全な業務の遂行といった面で効果がある手法ですが、使用する機器の種類によって用途やメリットは異なります。アドテックでは、これまで培ってきた測量のノウハウや技術力を三次元計測と掛け合わせ、1つ1つの業務で最適なソリューションを提供します。

  • 測量用ドローン(UAV)
  • 地上レーザスキャナ(TLS)
  • 車載写真レーザ(MMS)
  • ハンディレーザ(Lidar SLAM)

測量用ドローン(UAV)

ドローンは映像制作やスマート農業などの分野で一般的な機器となっていますが、測量の分野においても活用が進んでいます。局所的な範囲であれば航空機よりも低コストであり、人が立ち入れないエリアの計測も可能であることから、橋梁の点検や災害調査などの業務に適しています。技術の進歩によって取得できるデータのボリュームが増えていく中で、必要なものを抽出して正しく提供するノウハウをアドテックでは磨き上げています。

地上レーザスキャナ(TLS)

ICT活用工事における出来形管理や、歴史的建造物の文化財調査など、幅広い分野で利用されている地上レーザスキャナは、設置位置から連続的にレーザを照射し、面的に空間情報を取得します。1点ごとに計測するトータルステーションと比べ、一度で広範囲のデータを取得できますが、高密度なデータを用途に応じて正しく利活用するには技術者の力量が問われるため、アドテックでは日々、技術の研鑽に努めています。

車載写真レーザ(MMS)

車に載せたレーザ測量システムで、道路とその周辺の地形、地物のデータを取得します。作業の際に交通規制を行う必要がないため安全性が高く、トンネル内など上空から計測できない箇所のデータも移動しながら迅速に取得できることが特徴です。道路の維持管理のための現況調査や法面点検などに用いられています。

ハンディレーザ
(Lidar SLAM)

2022年(令和4年)に、国土地理院から「Lidar SLAM技術を用いた公共測量マニュアル」が公表されました。作業員が現地で小型のレーザスキャナを携えながら歩行してデータを取得するこの手法は、大きな機材を持ち込むことが難しい狭い場所や、地下空間での活用が想定されています。アドテックでは、Lidar SLAMの測量機器を早期に導入しました。他の手法と併用し、それぞれの利点を活かした形での業務の遂行に取り組んでいます。

行政支援

これからのまちづくりのための基礎資料として、建設や観光、税務に至るまで、公共事業では経年で比較できる正しいデータが必要不可欠です。アドテックでは、社会インフラの維持管理や業務のDX化にあたり必要となる地理空間情報の整備や更新のサポートを提供します。

  • 施設台帳整備(道路、水道)
  • 都市計画図、広域図
  • 地理情報システム(GIS)

施設台帳整備(道路、水道)

安全、安心な住民生活のためには、自治体が管理に用いる台帳が正しく整備されていることが必要です。アドテックはこれまで培ったノウハウで、道路、農道、林道、上下水道などの施設台帳の整備、各種図面の作成、更新を支援します。

都市計画図、広域図

アドテックでは、広域の地図である都市計画図の作成に長年にわたり携わってきました。持続可能な社会の実現に向けて、地域の歴史、文化、環境を大切にした政策の重要性がますます高まっています。私たちは、都市計画基本図をはじめとした地図作成の技術で都市計画をサポートしてまいります。

地理情報システム(GIS)

2007年(平成19年)に施行された地理空間情報活用推進基本法により、我が国ではGISの高度活用が図られてきました。また、コンピュータの高性能化によって大量のデータを扱う機器が一般化したこともあり、現代はGISが普及した社会となりました。高等学校の地理総合科目でもGIS教育が行われています。アドテックは、誰もが便利で快適に暮らすことができる社会の実現に貢献します。